1.柿渋染め
中国で4〜5世紀頃にはすでに存在していたと推測されています。
日本では鎌倉時代の「平家物語」には「柿の衣」が、「源平盛衰記」には「カキノキモノ」が記載されています。
また山伏の法衣には柿渋で染めた柿衣が多く用いられ、柿衣は山中の瘴気をさける力があるとされていました。
京都ではかつて禅宗の僧侶の麻製の黒衣は柿渋で染められていました。
2.柿渋の特性
防水効果、防腐効果、耐久力強化、などの特性があります。
生地を丈夫にしてくれるため古くから庶民生活の間でも布、竹、紙、壁紙、ロープ、家具、船、雨具、団扇、漆器などの下地としてもしようされてきました。民間薬としてやけど、しもやけ、高血圧下剤、ヘビ・ムカデなどのタンパク毒の中和などにも利用されてきました。
現在でも塗料、染料のほか一部は化粧品素材、発酵食品、徐タンパク剤、吸着剤などとして利用されています。
3.柿渋染めの色目について
柿渋はその染めるたびに色目を出す成分「柿渋タンニン」の量が微妙に異なります。
弊店でもこの成分を科学染料で調整をせず、天然の柿渋液を使用していますのでこの柿渋タンニンの量によって染めるたびに多少の色の誤差があるものと思います。
また太陽の光の紫外線、空気中の空気による酸化、湿度や温度によって多少発色が変わってきます。四季折々の気候によって染め上がりが変わるのも柿渋染めの楽しみと魅力でもあります。 |